J-REITの個人投資家向け説明会に参加してきた

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大和IRのJ-REITの個人投資家向け説明会に参加してきました。
プログラムは、森ヒルズリート投資法人とMIDリート投資法人のプレゼンと大和証券SMBCのアナリストによるJ-REIT市場の現状と展望に関する講演でした。

○J-REIT市場の現状と展望
実はこれを一番楽しみにしていました。
今まで余りこういうイベントに参加したことが無いため、果たして個人ブログの分析を超えるようなプロならではの付加価値ある情報はあるのだろうかと。
ちょっと嫌な楽しみ方ですがw

結果としては、個人では及ばないものがあるなと思いました。
例えば各々の表やグラフは公開情報を元にしたものであれば個人でも作れます。
ただ、今回の資料は70ページほどあって、その多くのページに表やグラフが一つないし複数使われているわけですね。
これはちょっと一人では週末をフルに使っても鮮度の良い状態で完成させるのは無理なんじゃないかと。
仕事(フルタイムのワーク)として(複数人で)作業することで初めて可能になる物量と情報鮮度になるのではないかと思います。

そして、もう一つ。
やられたと思ったのが、解約予告の話です。
REITというより不動産投資全般に言えることだと思いますが、稼働率(空室率)がひとつのKPIになります。
で、これをかなり正確に事前(半年ぐらい前)に知ることができるようです。
なぜか。
まあ、知れば納得なのですが、空室になるということは当然テナントは事前にオーナー側に通知します。(解約予告)
で、通常この解約予告は6ヶ月前までに行なわなければならないという契約になっています。
そのため、大体予想はつくでしょうということになります。
とはいえ、この解約予告は公開されている情報ではなく、アナリストがJ-REIT41銘柄全てにヒアリングしているみたいです。
……プロの仕事ですね。
ちょっと敵わないなと思いました。

森ヒルズリート投資法人3234:東証
その名の通り、森ビルがスポンサーのREIT。
ポートフォリオにはアーク森ビル、六本木ヒルズゲートタワー、赤坂溜池タワー、元麻布ヒルズなど。
都心の大規模物件にオフィスビル重視で投資する方針とのこと。
まあ、公開されている情報は公式サイトを見て頂くとして。

会場での質問に答えたところによると、海外物件への投資は、PFが投資方針にそぐわないものになってしまうため消極的でした。
J-REITの制度上は可能みたいですが。

東京が、シンガポールや香港や上海あたりに今後も負けないと信じている人であれば買ってもいいのではないでしょうか。(投資は自己責任で)
ちなみに私は東京の将来にあまり楽観的にはなれないのですが、分野によってはNo.1の地位を保ち続けると思います。

あと、良い物件があれば森ビル開発でなくとも取得すると言ってましたね。

ちなみに賃貸面積上位10位が資料に載っていまして、1位は日本中央競馬会(JRA)で面積割合は10.2%。
2位がオムロンで7.0%、3位は独立行政法人の都市再生機構で6.6%。
外資系企業が並んでいるとばかり思っていたので、意外でした……。

MIDリート投資法人3227:東証
大阪圏のオフィスビルに重点投資するREIT。
MIDのMは松下のMだったらしいが、Panasonicに変わってしまったので、今はManagementということにしているらしいです。
MIDはエムアイディーと発音するのですが、外国人にはよくミッドと呼ばれるそうで、大阪人はマイドだと言い張るそうですw
ところどころにネタを挟んでくる辺り流石は大阪だと思いました。
パンフレットのカラーもオレンジが基調なのですが、タイガースカラーだかららしいですwww

自分としては先ほども書きましたが、東京が今後、シンガポールや香港、上海に伍していけるのか心配しなければならない最中、大阪に投資しようという気はあまり起きません。
ただ、反面、大阪ならではの付加価値が評価されるようになるかもしれないという期待もちょっとあります。
カジノ作ったり……要は橋下知事の「エンターテインメントの街」構想なわけですが。

余談ですが、本日初めて、橋下知事を「はしもと-」と発音することを知りました。
むしろ、最初はプレゼンテータが橋下と橋本を勘違いしてると思ってました、すみません。

発音や新出語のアクセントなどが分からなくなるのは数少ないテレビを見ない弊害の1つかと思います。
まあ、外国メディアみたいにpodcastingを日本語でしてくれればテレビを見る必要は無いのですが。

○全般的感想
大体の印象ですが、参加者の90%以上は50~60代以上っぽかったです。
女性率は10%未満。
ただ、女性の年齢層は比較的若かったです(といっても30代後半~40代ぐらい?)
20代なんてもしかしたら自分しか居なかったんじゃなかろうか……。

ある意味、日本の資産所持状況の世代格差を忠実に現しているのかもしれません。
30~40代の男性があまり見当たらなかったのも、住宅ローンがあるからでしょうかね。

200人ぐらい入りそうな部屋が7~8割埋まっていました。
まあまあ盛況と言えたのではないかと思います。

話の内容もさることながら、どんな人たちがどれほど集まってくるのかにも興味があったんですが、思っていた以上に若い人が少なかったです。
今回、大和IR主催だったので、これがネット証券だったら大分違うんでしょうけど。

REITというとスポンサー企業との利益相反が気になるところですが、その辺は他の金融機関同様、コンプライアンス・オフィサーがいたり、コンプライアンス委員会があったりで仕組みは設けられているようです。
一方、森ヒルズの利害関係取引規定は2009年5月27日に「利害関係者から不動産等を取得する場合の上限価格」を「鑑定評価額の110%」から「鑑定評価額(但し、合理的な理由がある場合は鑑定評価額の110%)」にしていました。
逆に言えば、これまでは鑑定評価額の1割増で不動産を取得していたのかと……。

これからも安心して投資できる仕組みづくりを進めていって貰いたいですね。

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