「君主論」マキアヴェリ

| コメント(0) | トラックバック(0)
君主論〈新訳〉
俗にいう(目的のためには手段を選ばない的な)「マキャベリズム」は 本来のマキアヴェリの思想とは異なります。
マキアヴェリは単なる思想家ではなく、実際に外交官等として政治に携わった人物です。
従って、その思想も机上の空論ではなく、現実に立脚したものです。

内容的には、君主国の分類から始まります。
君主の行動指針が主な内容かと思っていたので、意外でした。
その後、内政や軍事、外交において君主がどう行動すべきかを歴史(実体験も含まれる)を もとに考察しています。

味方でない者が中立を要求してきたり、味方の側が、応援を要請してきたとき、
決断力のない君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くのばあい中立の道を選ぶ。 そして、おおかたの君主が滅んでいく。
印象に残ったもののうちの一節です。
この後、まるで数学の証明問題のように事態を場合分けして、 中立がなぜ駄目なのかを論証していきます。
このような形式が著者の基本的なスタイルなんですが、なかなかおもしろいです。
H15.3.17

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://hexarys.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/137

コメントする