「金貸しの日本史」水上宏明

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貨幣の誕生以来、人の歴史は「金貸しと借金」にずっと振り回されてきた。日本最古の銭で賭博にはまった天武天皇、政府自らが金貸しをしていた律令時代、貨幣が行き届いて徳政令に揺れた鎌倉期、大名から百姓まで借金で縛り太平の世を築いた江戸幕府、明治の文明開化も高利貸しのおかげ...。いつの世でも疎まれながら、しかし決してなくなることのない存在、「金貸し」。全く異質な観点から日本史を読み直す。

というわけで「金貸し」と「借金」をテーマにした日本通史。
これは手に取らざるを得ない。

徳政令の話や上限金利の変遷なんかが興味深かったです。
特に消費者金融にがっつり投資している身としては。

上限金利なんて、せいぜい明治になってからできた制度かと思いきや実は江戸時代からあったことに驚きました。
しかも、享保の改革で、年二割が相場だったのが一割五分になって幕府に嘆願とかしてたらしい。
もっともこれは札差と言われる大名とか向けに金を貸していた業者の話。
今でいうホールセール?
リテールのほう、つまり庶民は年利に直すと360%だったり、3600%だったらしい。

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